キムラタンはなぜつぶれない?
キムラタンの概要
キムラタンという会社は、神戸市に本社を置くベビー服・子供服を中心に取り扱うアパレルメーカーです。
創業は1925年で、多くのスーパーや百貨店などに出店していましたが、少子化や価格競争の激化により、すでに210もの店舗が撤退しています。
本社の人員も6割強にあたる40人を削減し、これによって事業の存続を図ってきましたが、2023年度3月期で8年連続の赤字を計上しています。
店舗の閉店、赤字続きなのになぜつぶれない?
現在残っている店舗は10店舗ほど。それらは新商品やサービス開発のための情報収集に活用されており、売り上げの大半はECによるものです。
またアパレル事業だけでなく、不動産事業にも参入しており、本業の立て直しを図るとともにこちらの収益で補填する形をとっています。
異常な株価
2023年11月6日現在の株価は一株当たり19円です。
2017年までは50円以上を守っていましたが、ここ3年ほどは30円にも満たない株価となっています。
この株価の低さがつぶれない理由の一つです。
キムラタンの株主優待は、200株以上保有していればオンラインストアで使える3000円相当のクーポン、自社直営店で使える2000円相当のクーポンがもらえるというもの。
3800円分の株式を保有することで総額5000円相当のクーポンがもらえることになります。
5000円分のクーポンを使い切るには最低でも12000円以上の会計が必要になるため、キムラタンが損をしているわけではありません。
しかし近年の新NISAや投資の激化により株主優待への注目が高まっているため、子育て世代にはとても人気のある株になっています。
新株を発行すれば容易に資金を賄えてしまい、かつ売り上げにも貢献できるようになっているのです。
キムラタンの今後
それでも2023年は赤字での着地が予想されています。
このままの状態が続けば上場の廃止や倒産も起こりうるのです。
せっかくのクーポンが紙切れになってしまうこともありえます。
今後のことは誰にもわかりませんが、株主優待の選択肢の一つとして考えてみるのもいいかもしれません。